タイトルなんて決まってません(よくない)
次案なんだけどね、転生もの書くつもり
— ティオライト (@subakazu121) March 7, 2019
……転生(?)ものになりそうw
とかなんとか言っていたので書いてみた(勢い)
でもここまで行くのに日常を書かないといけない……そして何より2つくらい書きかけである……
これをちゃんと書けるのはいつになるんだか💦
ちなみに設定は出来てるんですよ?
「おはよう、ようやく起きた?」
目を覚ますと見覚えのない天井と、懐かしい声。
「……なんで?」
彼を見て、私が呟いた言葉はそれだけだ。
彼は確かに私の友人だ。ここ半年は会っていないし、会う約束もしていない。
しかも自分が寝ていた部屋はどう考えても知らない場所だ。
ここはどこなのか、どうしてこの人がいるのか、この状況のなにもかもが私には理解ができない。
「まぁ、そうなるよね」
きっと彼はその私の一言でそこまで分かってくれたのだろう。困ったような微笑みを向ける。そして奇妙なことを聞かれた。
「その前に、自分と俺の名前分かる?」
「なにそれ、からかってる?」
「いいから」
からかうにしてはあまりに真剣な声で問われた。だから私も笑い飛ばすことなんて出来っこなく、戸惑いながらも言葉を紡ぐ。
「え……私は片桐楓。貴方は如月柚宇良、だよね?」
名前を聞かれるとは思わなかったが、なにか理由があるのだろうか?
そう考えながら彼の反応を見ていると、彼はすごく安心したように微笑んだ。
「よかった。忘れられてたらどうしようかと」
「いやいや、忘れるわけないでしょ!?」
そんな薄情な娘ではない。
会っていなかったとはいえ、友人のことをすっかり忘れることは今までない。
「あははっまぁそうだよねぇ」
如月さんがカラカラとおどけてみせる。
(……ん?)
その態度に妙な感じを覚えた。
いや、そもそもおかしいのだ。恐らく彼は私の性格を知ってくれている。私が友人のことを忘れるような人じゃないと知っているはずなのだ。
そしてなにより笑い方。こういうときの彼は楽しそうに、嬉しそうに笑う。なのに今の笑い方は安心しているような、そんなものに見える。
「……ねえ、なんかあった?」
遠慮なんてしない。彼に遠慮したところで無駄だってことは私が一番知っている。なんて言ったって私にとってここまで信用できる友人は彼ともう一人しかいないのだから。
「……うーん、何といえばいいのか……説明が難しいというか……」
今度は真剣な顔で考え込む。
彼の言葉を待っている間、私は部屋をきょろきょろと見回してみた。
1人部屋にしては妙に大きい部屋。背よりも高い本棚にはギッシリと本が詰められており、ベッドも絵本でよく見る天蓋付きベッドだ。
(本当、理解できない……)
唖然を通り越して頭が痛くなってきそうだ。
「……うん、やっぱり単刀直入がいいよね」
ポンっと手を叩いて彼が努めて明るく言い放つ。
「……どこか投げやりな気がするのは気のせい?」
「否定はしないけれどね~、でも正直俺でも理解に苦しむんだよ」
「…………貴方が苦しむだなんて珍しい」
思わず呟く。皮肉なんかじゃなく、心の底からの本音だ。
彼は頭がいい。自身では謙遜しているけれど中学で成績トップクラスだったくらいには。更に彼自身頭の回転が速いのだ。時折変な思考をするだけで、理解するのが早い。
そんな彼が理解に苦しむとは一体どんな内容なのだろうか。
(ってこの状況、理解できそうにもないけれどさぁ)
「でも流石片桐さん、冷静だねぇ」
「うーん、騒ぎ立てたって分からないものは分からないだろうから……」
「まぁね~、でもうん、ちょっと急ぎ目に話した方がいいかも」
チラリと時計を見るとスッと立ち上がった。
「え、ちょ……」
「片桐さんって紅茶飲めるよね?」
「う、うん、好きだけれど……」
「ならよかった、持ってくるからちょっと待っててね」
「えええ……」
(この状況で置いていく!?)
そんな文句は自分勝手だとは自覚している。
「大丈夫、誰も入ってこないはずだから」
「……うん」
こくんと頷くと彼はふっと微笑んで部屋を出て行った。
「……はぁー」
ぼふっとベッドに身体を沈み込ませる。
「なんなんだぁ本当……」
混乱と戸惑い。
不安と恐怖。
そんな気持ちがごちゃごちゃに混ざっている。
吐き気も伴ってくるほどに。
それでもここまで落ち着いていられるのはそれこそ如月さんがいるからに過ぎなかった。
「そればかりは感謝だなぁ……」
「おまたせ~」
「あ」
扉を開けて入ってきた彼の手にはお盆とティーポット、ケーキとカップがあった。
「……それって?」
「ん? ほら、あふたーぬーんてぃーってやつ。落ち着きたいでしょ?」
「え、あ」
そう言いながら机に手際よく準備をしてくれる。
(こうしてみるとすごく豪華な、貴族みたいな感じよねぇ)
「ほらここに座って」
「うん、ありがと」
椅子を勧められてそこにかける。
「なんか新鮮だね、貴方と紅茶飲むなんて」
「ね、いつもお酒だもんね。ケーキもどうぞ」
「ありがとう」
フォークで少し切って食べてみる。口の中に甘い味が広がってとても美味しい。
「それで、と。じゃあ本題ね」
「うん」
紅茶を飲みながら彼が口を開く。
「単刀直入に言うと、ここは俺らの世界じゃない。別の世界なんだ」
「……はい?」
別の世界?
「転生とか、そういうの?」
「うん、そういうの。俺と片桐さんは記憶を持っているから実感ないかもしれないけれど」
そんな実感なんてなかった。
「とはいえ俺も少し早く目が覚めただけで、なんとか情報収集して得た結果だけれどね。この世界では魔法が使える、剣もある。もといた俺らの世界とはそもそも世界の根底が違っていて文明も全く違う」
「…………」
「ってまぁここら辺は生活していれば分かることだし、今話すと混乱しかしないだろうけど」
「……うん、混乱しかしていないなぁ」
「だよねぇ」
ふふっと微笑まれる。
どうしてだか苛立ちはしない。
「それで、その、これが一番混乱すると思うんだけれどさ」
「ん? これ以上混乱することってないだろうから大丈夫だよ」
「大丈夫だと思わないけれどなぁ……あのさ片桐さん」
「なに?」
これ以上何言われても混乱することなんてない。
だからか軽く聞き返していた。
「貴女、この国の皇子の婚約者だから」
「……は?」